変額保険販売では、将来のインフレに対する備えとして提案するケースもあると思います。ところが日本では20年以上デフレが続き、物価が上昇するという実感をなかなか持てないというお客様も多いのではないでしょうか?
そのような場合には、2つのポイントでインフレについてお伝えしてはいかがでしょうか?
高齢者が感じている物価上昇と若年層が感じている物価上昇が異なる
ひと言でインフレとか物価と言いますが、高齢者が多く買うものと若年世帯が多く買うものは異なり、高齢者が買うものは、現在でも物価上昇の影響を受けている、ということをデータを織り交ぜてお伝えしてはいかがでしょうか?
ニッセイ基礎研究所が2018年8月に公表したレポートが参考になります。
(ニッセイ基礎研究所 基礎研REPORT(冊子版)8月号)
世代によって多く使うものが違う、という事がわかります。若年層が多く使う交通費や通信費は下がっている一方、高齢世帯が多く使う食料品は大きく値上がりしていることがわかります。スーパーに行く人は気が付いていると思いますが、外食・中食・加工食品にくらべ高齢世帯が多く購入する生鮮食品は大きく値上がりしています。
住宅関連支出でも興味深い結果が出ています。若い世代の多くが負担する家賃は下がっているのですが、同じ住宅関連といっても高齢者の支出が多い修繕費は上昇率が6.1%も上がっています。
現役世代の物価上昇は時間差はあっても給与が物価に追い付ていく傾向があります。ところがリタイヤ世代は給与の上昇を見込みにくいので物価上昇のダイレクトに生活に影響してきます。
医療費などは上昇が予想される
保険医療については、60歳以上も39歳以下も同程度の上昇になっています。家計に占めるウェイトは高齢者世帯は6.4、若年層世帯は3.8と、当然ですが高齢者世帯の方がウェイトが高くなっています。
今後、この傾向はどうなるでしょうか?
寿命の延びに伴い年齢が上がるにつれてウェイトが高くなっていくでしょう。また、自己負担の在り方が変わっていくので、おそらく若年層世帯よりも高齢者世帯にとっての上昇率が上がっていくことが予想できます。
まとめ
このように見ると、高齢者世帯と若年層世帯では物価に対する「感じ方」が異なっていること、高齢者世帯の方がより物価の影響を受けていること、さらに今後はより一層その傾向が大きくなることが予想できます。
年金はもちろんですが、働いていても現役世代の時ほどの所得を得ることが難しくなると、物価上昇を影響を大きく受けるようになります。
そのためには物価上昇に資産価値が連動しやすい株式で資産を持つことが有効になります。