お客様に変額保険を提案していると、
「今後も株式は上がるのですか?」
「今までは良かったかもしれませんが今後は色々と不安もあるのではないですか?」、
などと言われたことはありませんか?
過去のデータを確認していただくことも大切ですが、「何故株式は値上りするのか?」「何故過去のデータは参考になるのか?」について理解していただくことが大切です。
この記事では、簡単な例を使い、株式や株式投資の仕組みを理解します。
株式とは
会社をスタートするとき(まだ売上がゼロ)、どのように企業活動をスタートするのでしょうか?
お金がなければオフィスを借りる事もできませんし、社員を雇うこともできません。売上の元になる原料や商品の仕入れもできません。
通常は社長さんが自分のお金を出して事業を開始することが多いかもしれません。お金を出す人のことを出資者(社長である必要はありません)と言い、会社のオーナー(所有者)になります。
そして会社は出資者に対してお金を出してくれた証拠として株券を発行します。つまり株式とはその会社のオーナーシップを持っていることの証拠という事になります。
株価は何故上がったり下がったりするのか?
1000万円で会社をスタートしたとします。出資者と会社の金庫の中身は以下のようになります。
会社はこのお金を元手にビジネスをスタートすることになります。
オフィスを借りたり、従業員を雇ったり、商品を仕入れたり、します。これらを経費と言いますよね。そして仕入れた商品が売れると売上が上がります。
1000万円でスタートして、経費を500万円使って800万円を売り上げることができたらこの会社のお金は、
元手 経費 売上
1000万円 - 500万円 + 800万円 =1300万円
と300万円増えて1300万円になりました。
では、この時に出資者が持っている1000万円の株券の価値はいくらになっているでしょうか?
もし仮にあなたがこの会社のオーナーで当初1000万円を出資していたとしましょう。そこに別の第三者がやってきて、この会社のオーナーシップを譲って欲しいと言ってきたとしたら元々の出資額の1000万円で譲渡しますか?
この会社の金庫には1300万円の現金があります。さらに来年以降も利益が出そう(=会社に貯まっていくお金が増えそう)だとしたら、
1300万円+(将来見込めそうな利益額)
でないと人には譲れないと考えるのではないでしょうか?
では、反対にこの会社が同じく500万円の経費を使ったにもかかわらず200万円の売上しか上げられなかったとしたらどうでしょうか?
会社に残っているお金は、
1000万円 - 500万円 + 200万円 =700万円
になってしまいました。
来年以降も利益が出そうにない会社(の株券)を元々の出資額の1000万円で買ってくれそうな人はいますでしょうか?
こうして見ると株式投資って以外とシンプルな理屈だという事がわかります。
来年以降の利益がいくらになるかは誰も正確にわかりませんから、不安や欲が増幅して株価は大きく動くことがあります。
しかしながらここまで見てわかる通り、基本的には株式会社の目的はビジネスを行い会社にお金をためていくことです。
まとめ
このように見ると、日々の株価に一喜一憂する必要はなく、世界中の会社が一生懸命事業を継続し、しっかりとお金を稼いでくれる(利益を出す)のを待つことが大切だという事がわかります。
特に株価が大きく値下がりした時には、そもそも株式投資とは何なのか?を再確認して、ニュースなどに惑わされずに資産運用の基本方針を維持・継続することをアドバイスしましょう。