変額保険提案時に「劣後債を検討している」と言われたら

変額保険の提案をしているとお客様から「劣後債を検討している」と言われたことはありませんか?

主にドル建てで利回りが高いので特に一時金での運用を検討している方には劣後債を検討している方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら実際には、表面上の条件のみをみて、正しく劣後債を理解していない方も多いように感じます。

そのような時は、劣後債の特徴を整理して伝え、お客様がよりご自身に合った商品選択ができるようにしてあげましょう。

劣後債も債券の一種です。債券の特徴については以下で確認してください。

劣後債とは

以下SMBC日興証券からの引用です。

劣後債とは、普通社債に比べ、元本と利息の支払いの順位が低い社債のことをいいます。発行体が破綻するなど「劣後事由」が発生した場合、一般債権者(普通社債保有者等)の債務弁済完了後に残余財産が劣後債保有者に弁済されます。劣後債は残余財産の弁済順位が最も優先される普通社債と、弁済順位が最も低い株式との中間的性格を持っています。金融機関が発行する劣後債は、一定の制限のもと、自己資本への算入が認められているため、自己資本を増強する手段として発行される場合があります。  

https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/re/J0437.html

発行体が破綻した場合には返済されないことの代わりに高い利回りを得ることができる、という事になります。

劣後債や仕組債などの複雑な 金融商品 を見る場合、パンフレットなどに記載の条件で判断するのではなく、何を引き換えにその利回り(リターン)を得ているのかを整理するのがコツになります。

弁済順位が低い以外に、一般には償還期限までの年数が長いこと、期限前償還と言って発行体の都合で償還期限を待たずに償還される場合があること、が特徴になります。

このような特徴がある劣後債ですがどのように判断したらよいでしょうか?

劣後債の購入は慎重に

表面上の利回りが高く見えても購入は慎重にしたほうがよいと思います。主な理由は3つあります。

信用リスク管理は困難

変額保険提案時に「外国債券はどう?」と聞かれたら、にも書きましたが、債券の信用リスク管理を個人投資家が行うのは事実上不可能です。

国内の身近にある企業の信用リスク管理も難しいのに、海外の企業の30年とか永久とかの長期に渡る信用リスクの予想や管理は困難、もっと言えば『無意味』とも言えます。

途中売却は可能、でも実際は

お客様が保有している債券を売却したいときはどのような時でしょうか?

  1. お金が必要になったとき
  2. その企業の債券を持っていることが不安になった時

ではないでしょうか。1のお金が必要になった時は、保有者個人の問題なので、その時の金利や発行体の信用度に応じて合理的な価格形成がされることが期待できます。問題は2の場合です。

このような時は保有者のすべてが同じように感じていて、さらに購入を検討している人も極端に少くなっています。そうなると売却できない、売却できてもすごく安い値段で、となります。ましてや劣後債は返済順位が低いので返済順位が高い普通社債よりも大きく値下がりし、より値段がつきにくくなる傾向があります。

期限前償還があるから・・・

劣後債は償還までの期間が、30年とか永久とか、個人の方が購入するには、少し長い、と感じることが多いと思います。そのような場合には、「ほとんどの劣後債は最初のコールで早期償還されますから・・・」と勧められているケースが多いように見受けられます。

しかしながら実際には、スタンダードチャータード銀行、サンタンデール銀行、みずほ銀行など初回コールを見送っているケースもみられるようになりました。

早期償還されるものだと思っていたもの(10年で償還だと思っていたもの)が30年満期に変わったり、利息の支払い条件が変わったりすると、多くの場合価格が下がる傾向になります。

また、使う時期を早期償還の時期に合わせていた方にとってはライフプラン上も大きな計算違いになってしまいます。早期償還するかしないかは発行体にゆだねられているので投資家がそれをコントロールすることはできません。

まとめ

以上見てきたように劣後債は、債券の特徴に加え劣後債特有の仕組みが反映された価格形成になります。もし、お客様が表面上の条件だけで検討していたり、必ず早期償還するものだ、という前提で購入を検討している場合には、上記の特徴をお伝えし、より良い選択ができるお手伝いをしてあげてください。

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