変額保険の提案をしているとお客様から「株式型を選んだらどのくらいの利回りになりますか?」とか、「元本割れをすることはありませんか?」、などと聞かれて答えに悩んだことはありませんか?
ここでは各アセットクラスの特徴をもう少し数字で詳しく把握してみましょう。これを把握しておくと、お客様への説得力が格段と上がりますよ。
時系列グラフで確認する
このグラフは、182か月間(2002年12月末~2018年2月末)の、国内外の株式、債券の値動きを示したものです(2002年12月時点に国内で販売されていたインデックス型の投資信託のリターンデータを基に作図)。
株式は値動きが大きいですが、時間をかけて大きく値上がりしています。一方債券は株式に比べると値動きは小さく、その分値上りも小さくなっています。このグラフは販売用の資料などでもよく見るのではないでしょうか?
月次リターングラフで確認する
下記のグラフは上記と同じデータの月毎のリターンです。毎月毎月どのような値動きをしているのかを良く理解することができます。グラフが上に伸びているのはプラスの月、下に伸びているのはマイナスの月です。
上記は国内株式ファンドのグラフです。以下のようなことに気づくのではないでしょうか?
・大きいプラスの月、大きいマイナスの月、それなりの月がある
1か月で10%以上値上りしている月もある一方、2008年秋には1か月で20%以上値下がりしている月もあります。また値動きが小さな月もあります。
こちらは国内債券ファンドのグラフです。株式と同様、グラフが上に伸びている月もあれば下に伸びている月もあります。
ただし株式と左の軸をよく比べてみると、値動きの大きさが異なることに気づきます。最大のプラスでも2%弱、最大のマイナスも2.5%弱です。値動きだけで見ると株式の1/10程度です。
こちらは日本を除く先進国の株式ファンドの値動きです。時期は異なりますが、上下の幅や値動きの傾向は国内株式ファンドとにていると見ることもできるかもしれませんね。
最後は外国債券ファンドのグラフです。国内金利はゼロ金利政策が長いこともあり変動が殆ど無いですが、先進国全体では金利の上下変動がありましたので、株式よりは小さい幅ですが、上下に動いていることが分かります。
このように月次リターングラフで見るといつも見ている時系列グラフよりも各アセットクラスの特徴がわかり易くなるのではないでしょうか?
月次リターンを数字で把握する
グラフのイメージでも十分に株式と債券の値動きの特徴の違いがわかりますが、数字にするとよりはっきりとその違いを把握することができます。
例えば株式ファンドを保有している場合、10か月のうちの4か月はマイナスです。
さらに、すごく悪い月にはマイナスが20%を超えることもありました。しかしながらマイナスの月も含めた月次リターンの平均はプラスになるので、182か月間のリターンの合計もプラスになります。
まとめ
この数字を理解し把握しておくとお客様との会話がとても楽にかつ説得力があるものに変わります。例えば、
株式は値下がりしませんか?
確かに株式は月によって値上りする月もあれば値下がりする月もあります。1か月でみると10%以上値上がりする月もあれば反対に20%以上値下がりする月もあります。もっと言えば、1年12か月のうち5か月は値下がりをしているのです。ところが、値上がりしている月と値下がりしている月のすべての月の平均は、プラス0.67%でした。毎月毎月の値動きを受け入れて長く持つことが成果を得るためには大切になります。
このような会話ができるようになります。お客様も値下がり時にも落ち着いて対応できるようになり、結果長期での投資の成果を得ることができるようになります。