障害年金教室2

今日は障害年金教室の2回目です。

障害年金の請求をするのに病気の種類は、
・関係ある?
・関係ない?

国民年金と厚生年金、どちらの年金制度で請求する?
・対象となる病気になった時の年金制度
・請求時点で加入している年金制度

障害年金専門の社会保険労務士の金井先生に今回も解説していただきます。

こんにちは。
社会保険労務士の金井雄吾です。

今回は、障害年金をもらえる条件と種類の概要についてお伝えします。

1.どんな病気・怪我が対象になるのか

障害年金は、ほとんどの病気・怪我が支給の対象となります。

時々、「私は、○○という病気を患っていますが、障害年金がもらえますか。」と言う質問をいただくことがあります。

障害年金は病気や怪我の種類により年金がもらえるかどうかの判断をするのではなく、その病気や怪我によりどの程度、日常生活や働くことに支障があるかにより判断をします。

このため、膠原病の診断がなかなかつかない方、シックハウス症候群など一般的になじみがない病気や難病も対象となります。

それでは、ほとんど全ての病気・怪我が障害年金の対象となることが分かったところで、障害年金を受けるための条件を詳しく見ていきましょう。

 

2.障害年金をもらうための条件は3つ

障害年金をもらうため条件は、大きく以下の3つになります。後ほど一つずつ説明しますので、大まかなイメージをつかんでいただければ結構です。

  1. 初診日要件(初診日に、どの年金制度に加入していたのか)
  2. 保険料納付要件(初診日の前日の時点で、きちんと保険料を払っていたのか)
  3. 障害認定日要件(初診日から1年6ヶ月経過した日またはそれまでに治った日症状が固定した日、20歳前に初診日がある場合には20歳到達日【初診日から1年6ヶ月経過日が20歳後にあるときは、その日】に、一定の状態以上の障害の状態か)

 

3.障害年金の種類は2つ

障害年金には、2つの種類の年金があります。どの年金制度から支給されるかは、初診日にどの年金制度に加入していたかにより決まります。

障害基礎年金

国民年金に加入中に初診日があるときに支給される年金です。障害等級が2級以上の場合に支給されるで、自営業者、専業主婦、学生、フリーター、失業中の方など20歳以上60歳未満で日本に住んでいる方が対象となります。

なお、国民年金は20歳以上60歳未満の者が加入しするもので、厚生年金に加入している20歳以上60歳未満の期間も国民年金に加入しているものとして取り扱われます。

年金額(平成28年度)

1級 975,125円(年額)
2級 780,100円(年額)

上記に加え、18歳になった最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1・2級の障害所状態にある子がいる場合には「子の加算」があります。

子の加算(年額) 子2人まで1人につき224,500円 子3人目から1人につき74,800円

 

障害厚生年金

初診日において、厚生年金保険の被保険者である場合に支給される年金です。障害等級が3級以上の場合に支給され、障害等級2級以上の場合には障害基礎年金が併せて支給されます。

また、障害等級が3級より軽い場合に支給される障害手当金(障害厚生年金額×2倍の一時金 最低保証額1,170,200円)の制度もあります。

年金額(平成28年度)

障害基礎年金と違い、厚生年金に加入していた期間(大まかに言うとサラリーマンや公務員であった期間)と、その間の給料額により計算しますので、もらう人によって金額が異なります。

厚生年金に加入していた期間が短いと、年金額が少なくなりすぎてしまうため加入期間が300月(25年)未満の場合には、300月としてみなして計算します。

また、障害厚生年金3級の場合には最低保証額 585,100円(年額)が定められています。

上記に加え、65歳未満の配偶者がいる場合には加給年金 224,500円(年額)が加算されます。

かなりザックリしたイメージですが、

男性 44歳 妻(パート)・子(14歳)・子(11歳)

大卒後、現在まで厚生年金加入

初診日:平成27年4月

認定日:平成28年10月

障害等級:2級相当

平成15年3月以前の平均標準報酬月額 24万円 加入月数 96か月

平成15年4月以後の平均標準報酬額  32万円 加入月数 161か月

の場合、月額約16万円の障害年金を受けることができます。

なお、「平成15年3月以前の平均標準報酬月額」とは、入社から平成15年3月以前の給料の平均、「平成15年4月以後の平均標準報酬額」とは、平成15年4月から平成28年10月までの給料と賞与の平均というイメージでとらえてください。

 

今回は、障害年金を受けるための条件と制度についての大まかなイメージをご理解いただけましたでしょうか?次回以降は、それぞれの内容を詳しく見ていきたいと思います。

 

 

以上、金井先生のコラムでした。
いかがでしたか?

就業不能時に公的保険でどのような保障があるのか、を理解し、その内容をお客様と共有することで逆にニーズが浮き彫りになるのではないでしょうか?

金井先生はお客様の個別事案の相談にも対応してくださいますので、お困りのお客様がいらっしゃる場合にはご連絡ください。

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