保険営業パーソンのための障害年金教室 4

障害年金教室の4回目です。

障害年金の請求、受給では「初診日」がとても大切なんですね。

今回は、さらに「初診日」の確定に重要なポイントとなる「前駆症状」について解説していただきます。 

 

こんにちは。社会保険労務士の金井雄吾です。 

前回は、障害年金の受給に重要な「初診日」についてお伝えしました。

今回は「初診日」についてもう少し深く掘り下げてみたいと思います。

 

耳鼻科に行っても、うつ病の初診日?? 

前回、お伝えしたように「初診日」とは、「初めて診療を受けた日(治療行為または療養に関する指示があった日)※その傷病に関する診療科や専門医でなくともよい」「傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名の初診日が対象傷病の初診日。」とされています。 

具体例を見てみましょう。

イサムさんは、平成25年7月頃から「ザワザワ」という耳鳴りが聞こえるようになり、同年9月24日にウサギ耳鼻科医院を受診しました。

いろいろ検査をしましたが、原因は分からず様子を見ることとなりました。

その後も耳鳴りはおさまらず、次第に家にいても天井や壁から人の声が聞こえるようになりました。

様子がおかしいことを心配した家族が、同年12月15日にイサムさんをヤスラギ病院精神科に連れて行ったところ統合失調症と診断されました。 

このような場合には、耳鳴りと統合失調症との間に関連性があると判断されれば、初診日はヤスラギ病院を受診した平成25年12月15日ではなく、ウサギ耳鼻科医院を受診した平成25年9月24日が初診日となります。 

特に精神疾患の場合には、このようにストレスから体の不調を感じ病院に行くことが多いのですが、最初から精神科を受診する人は稀です。

このように、病気が起きる前兆の症状を「前駆症状」と言います。

精神疾患の場合には、前駆症状として神経性胃炎、月経不順、過敏性腸症候群、偏頭痛、不眠、蕁麻疹、などが考えられます。

多くの方は、診断が確定した日を初診日と考えてしまいますが、それより前に「前駆症状」がなかったか、よく見極めることが重要です。

 

初診日の判断で大きな違いが

初診日がキチンと確定しないまま手続きを進めると、年金受給に大きな影響があります。

 

年金がもらえない可能性

詳しくは後で述べますが、障害年金を受給するには初診日の前の日の段階で一定の条件の保険料を支払っている必要があります。

医師等の受診をしてから保険料を納めて障害年金が受け取れることがないよう、保険料の納付要件は初診日の前日で判断することとなります。

このため、初診日によっては保険料納付要件を満たす場合、満たさない場合が生じ、満たさない場合には、その傷病による障害に対しての障害年金はもらえないことになってしまいます。

 

年金額・受給に大きな差が生じる可能性

障害年金は、初診日に国民年金、厚生年金のどちらかに加入をしていたかにより、もらえる年金額が違いますが、厚生年金のほうが有利な内容になっています。

先ほどの例で、ウサギ耳鼻科医院を受診した平成25年9月24日は、会社員で厚生年金に加入しており、ヤスラギ平成病院精神科を受診した平成25年12月15日は、退職後で国民年金に加入していた場合には、初診日により受給できる年金制度が厚生年金なのか国民年金なのかが変わります。

このため、年金の額が大きく異なることになりますし、厚生年金加入期間中に初診日があれば障害等級3級から支給されるので、障害年金の受給自体に違いが生じます。

 

 障害の状態を判断する日により受給に差が生じる可能性

 障害年金を受給するための障害等級は、2つの時点で判断します。

 1.初診日から1年6ヶ月を経過した日(「認定日」と言います。)

 2.障害年金を請求する日

「1.初診日から1年6ヶ月を経過した日」の状態で申請したほうが有利な場合が多いため、通常はこちらでの年金申請をまず検討します。

認定日は初診日によって異なってきますので、障害の状態に差が生じる可能性がでてきます。

この場合には、年金額に差が生じたり、場合によっては「2.障害年金を請求する日」で請求せざるを得なくなってしまいます。

また、途中で初診日が変わると、書いてもらった診断書が使えなくなり、再度診断書を取得しなければならなくなるケースも考えられます。 

今回は、初診日の見極めが重要であることをポイントにお話しました。

次回も、引き続き「初診日」についてお伝えいたします。 

 

 

精神疾患では、前駆症状と障害年金の請求を検討する時期で期間があくことも多いので注意が必要ですね。 

障害年金の受給はできるのか?などお困りのお客様がいらっしゃったら金井先生に聞くことができるのでおっしゃってくださいね。

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