生命保険の営業では、見込客に耳を傾けてもらうことが大切です。
スムーズに本題に導入するためには、提案に関連するニュースなどを話題にするのが有効です。
2015年から相続税の基礎控除が縮小し相続税の対象者が多くなっています。
今までは相続税に関係ない、と思っていた人にも確認をしていただき、
納税資金や分割、贈与などについて検討してもらう機会にできればよいですよね。
今月国税庁より「平成28事務年度における相続税の調査の状況について」が公表されました。
これによると、平成28事務年度では、約12,000件に調査が入ったそうなのですが、そのうち申告漏れや無申告の指摘があったのは、
調査の約8割の9,900件でした。
申告漏れ課税金額は3,295億円で、実地調査1件当たり2,720万円となっています。
面白いのは、この1件当たり、というところです。
申告漏れ等の件数は9,930件だったので、普通であれば、3,295億円を9,930件で割って、
申告漏れ1件当たり3,318万円、の方が自然に感じるのですが、
非違が無い方も含め調査1件当たりで公表しているんですね。
私たちのビジネスに例えると、100人にアプローチして、80人が成約、1件当たりの単価が2700万円、となります。
前年度の数字を見ても非違割合は81.8%なので、アプローチの数で金額がほぼ読めている状態ですね。
内訳は、
土地建物 13.5%
有価証券 16.5%
現預金 33.1%
その他 36.8%
とあります。
生命保険金や退職金は「その他」に分類されています。
公表資料には内容についての表3つが掲載されています。
一つ目は、海外資産についてです。
海外資産についての調査件数は917件、全体の7.5%です。
金額は284億円で全体の8.6%。
全体から見ると大きな割合ではないですが、
「納税者の資産運用の国際化に対応し、(略)租税条約等に基づく情報交換制度を効果的に活用するなど、(略)本事務年度においても積極的に調査を実施します。」
とあります。
相続からは離れますが、こんな話題から取扱いできる商品を利用し、「グローバルに資産分散すること」、を提案できるかもしれませんね。
二つ目は、無申告事案についてです。
無申告に関する調査件数 971件
非違件数 751件
課税価格 866億円
金額の割合は、26%なのでかなり多いという印象です。
今回の数字は、基礎控除が以前のものなので、基礎控除減額後の数字が出る来年はもっと多くなっているかもしれません。
三つ目は贈与です。
調査件数 3722件
非違件数 3434件
課税価格 1918億円
いわゆる名義預金などが多いのではと推察されます。
金額、件数とも全体から見るとすごく多い、という印象です。
このような報道されている時事ニュースをきっかけにできれば、事前な形で本題にはいれるのではないでしょうか。
さらによりソフトな話材として天皇陛下と相続税なども使うと良いと思います。
今年5月にイーレターでお客様向けに配信していますので、ご覧ください。