大幅安になったらブラックマンデーの話をする

幅広く分散された投資では値動きを受け入れて長期継続保有することが大切です。ところが時として大きな下落があり、お客様が大きな不安を感じる時があります。

今月に入り、利下げの打ち止め感、米中貿易摩擦の再燃などから日米とも大きく株価が下がりました。ニュースなどでは●●兆ドル消失、とか過去●番目の下落、などと大きく取り上げられます。

下記は8月3日の日本経済新聞夕刊です。

1週間の下げ幅は707ドルに達し、今年2番目の大きさとなった

とあります。

このようなニュースを連日目にすると、お客様の中には少し不安に感じる方も出てくるかもしれません。 そんな時はブラックマンデーのことをお伝えしてはいかがでしょうか?

過去最大の下落率を記録した月は?

1987年10月、いわゆるブラックマンデーがあった月です。

1987年10月16日(金)2246.74ドル
1987年10月19日(月)1738.74ドル

一日で508ドル安、率にしてなんと22.6%の下落でした。 22%を現在の株価に当てはめると5,800ドルです!! いかに大きな下落だったかがイメージできるのではないでしょうか?

下図はNYダウ平均株価の1987年の値動きです。

下落率も驚きですが、実は大切なのはここからです。この時のNYダウ平均株価は2000ドル程度だったという事です。その後、ITバブルの崩壊、911同時多発テロ、イラク戦争、リーマンショックなど幾多の大きな調整がありましたが、30年後の今、10倍以上になっています。

たまにお客様から「選挙があるから。。。」などと言われることがありますが、この間いったい何回選挙があったのでしょうか?

そしてもう一つ重要なのは過去の株式の値動きを数字で大まかに把握をしておく、という事です。

株式の値動きの特徴は?

上の34年間の値動きのグラフをお客様に見せて、長く持っていれば大丈夫です、とお伝えしてもなかなかしっくりとこない、と感じることはありませんか?

たしかに過去はそうだったかもしれないが、今回の出来事(状況)は過去には無かったことだ、とお客様は感じています。ただこれもよく考えれば、今起こっている大きな出来事は常に過去になかったことだったのですが。

いまでこそ、911同時多発テロなどと冷静に話していますが、高層ビルに民間の旅客機が突っ込む、などというテロは前代未聞です。

なので、株式とはそもそもこのような特徴の値動きをするものだ、という事を知っておいて投資(積立)を継続することが怖くなった時に冷静に対処するために必要になります。

下の図は1985年1月から2019年5月までの413か月のNYダウ平均株価の月次のリターンを表したものです。

グラフが上に伸びているのは値上りした月、下に伸びているのは値下がりした月です。こうしてみると毎月上がったり下がったりしているという事がはっきりわかります。1987年10月はグラフがとびぬけて下に伸びています。ここがブラックマンデーがあった月です。

グラフで見ても特徴がつかめるのですが、数字で把握しておくとお客様も理解しやすいと思います。

413か月で、最も値上りした月は1か月で13.82%値上がりしました。一方最も値下がりした月は23.22%値下がりしました。

413か月のうち値上りした月は260回、値下がりしたのは152回、変わらずの月が1回でした。月単位でみると値上りするのは62%です。1年でみれば、5か月はマイナスの月という事になります。

プラスの月、マイナスの月を合わせた平均は、0.82%。平均がプラスなので、長く持っていればプラスになることが十分に期待できます。

また値動きが大きい月もあれば小さい月もありますが、平均すると月に4%程度の値動きをしてたこともわかります。

現在のニューヨークダウは26500ドルほどですから、4%は約1000ドルになります。月にこの程度の値動きは「あること」と理解しておいていただくことが大切です。

大きな値下がりは今後もいつでも起こりえます。そのような時はブラックマンデーと株式の値動きの特徴をお客様と共有し、しっかりと投資(積立)を継続するサポートをしてあげたいですね。

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