長期投資を妨げるのは誰?

投資で成果を得る最も確かな方法は長く続けることです。ところが日本ではせっかく投資信託を買っても長期保有せずに短期での売買を繰り返しているので世界の企業が生み出す利益を投資の成果として得ることができていないと言われていますね。

今日は長期保有を妨げる敵は2人いる、という話です。

下図は、令和2年7月3日の金融庁資料「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング結果について」から販売チャネルごとの投信平均保有期間のグラフを抜粋したものです。

https://www.fsa.go.jp/news/r2/kokyakuhoni/202007/02.honbun.pdf

銀行主要行でやや長く5.3年、地方銀行3.6年、対面証券はもっとも短くて2.9年です。企業が生み出す利益の配分を得る、ことを目的とする長期投資であれば3年~5年というのはかなり短いという印象です。

営業担当者と相談しながら商品選びをしている人は自らタイミングを見計らって売ったり買ったりするのではないので、営業担当者のお勧めによりこのような短い期間で乗換えているのだと考えられます。

つまり長期投資にたいする敵の一人は金融機関だということになります。本来は一般の人が直接アクセスできない世界の企業が生み出す利益を適切な対価で届けてくれる味方であるはずの金融機関が実は敵だった、ということになります。

このグラフで驚いたのはネット証券を利用して投資信託を購入している人の平均保有年数です。自分で選んだので誰にも邪魔されずにじっくりと成果が出るまで長期保有をしているのかと思っていたのですが、なんと3.4年と非常に短いのです。

理由としては次のようなことが考えられます。

  • ネット証券の画面に表示されるお勧めや新商品紹介、マーケットコメントなどを頼りに商品を選び売買している
  • 値上がりすると利益確定したくなり、値下がりすると怖くなり手放してしまう
  • ランキング表などで自分が持っている商品よりも成績が良い商品に乗り換えてしまう

長期投資のもう一人の敵は投資に向き合う自分自身の感情だったのですね。

長期投資で成果を得る、と言うのは簡単ですが、実際には何十年の間に、暴落、バブル的な暴騰、新しい産業やテーマ、新しい金融テクノロジーによる新商品の開発、などいろいろな出来事が起こります。それらを乗り越えていかなければなりません。

せっかく世界の企業が利益を上げていても投信の保有期間がこれではその成果を得ることはできませんよね。既存の金融機関も味方になってくれない、自分でやっても値動きや感情に負けてしまう。そこで必要なのが適切な対価で長期投資につきものの山や谷を乗り越えるためのサポートをしてくれるアドバイザー、ということになります。

このようなデータを見ていると私たちが果たす役割がみえてくるのではないでしょうか?

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