人生100年時代の制度設計特命委員会で、こども保険について議論されているのは皆さんよくご存じだと思います。
幼児教育・保育を無償化、その財源を社会保険料で、という制度です。完全無償化には1.2兆円が必要と言われていますが、それを社会保険で賄う場合、0.3~0.4%の保険料が必要という試算が出ているそうです。
また、国民年金の未納者への強制徴収を強める、というニュースもありました。
消費税は少し上げるのにも大騒ぎで、いくつもの政権がそれを原因にして変わっていますが社会保険料はいつの間にか上がっているという印象がありますよね。
ということで実際の推移を整理してみました。
厚生年金保険料率 H1年 12.4% → H29年 18.3% 約1.47倍
国民年金保険料 H1年 7,700円 → H29年 16,490円 約2.14倍
健康保険料 H1年 8.3% → H29年 10% 約1.2倍
介護保険料 H1年 なし → H29年 1.58%
厚生年金に加入している人の場合、20.7%が29.88%に、約1.44倍になっています。
ちなみにこの間の物価や賃金は、
H1年 88.5 → H28年 99.9 と約1.12倍になっています(総務省HPより)。
一方賃金は、
H1年 24.1万円 → H27年 30.4万円 と1.2倍、に(厚生労働省HPより)。
こうしてみると、物価の上昇は賃金で賄われている(デフレの恩恵を受けている)が、賃金の伸びが社会保険料の負担増に追いついていっていない、とみることもできます。
負担増になった分、これで安心だ、となれば消費にも向かうのでしょうが、ますます進む高齢化、長寿化を前になかなか不安が解消できずにいる、というように見えますね。
今後の負担の方向性についてはいろいろな見方、考え方があると思いますが、より給付にメリハリがついてくるのではないでしょうか?
制度の方向性やお客様の事情を勘案したアドバイザーのかじ取りが重要になってきますね。
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