2017年8月17日の日本経済新聞にライフネット生命の調査として、「がんで年収2割減」という記事が掲載されていました。
調査によると、全体の56%の人が収入が減ったと答え、その平均は20%のマイナスだったそうです。
国立がん研究センターによると、日本人の男性63%、女性47%が罹る(2012年データ)とされています。2人に1人ががんに罹る時代、ということですね。これは、一生のうちにがんに罹る人の割合について表しています。
では、働いている年代でどのくらいの割合でがんに罹るのでしょうか?
がんに限らず大きな病気やケガは働いている人にとってはそれこそ死活問題です。
2012年にがんに罹った人の数:865,238人
0歳~19歳:2,695人
20歳~64歳:256,824人
65歳以上:605,719人
(国立がん研究センター)
1年間でがんに罹る人の約3割が現役世代ということになります。
がんに罹ると健康な時と同じように働けなくなり、がん罹患患者の3割の人が仕事を辞めていることが問題になっていることはよく知られています。
下図は国立がん研究センターの統計をもとに、1年間のがん罹患者に占める20歳~64歳の割合を表したものです。
1975年当時は、がん罹患者の50%が20歳~64歳だったのですね。
1975年にがんに罹った人の数:206,702人
0歳~19歳:3,406人
20歳~64歳:104,724人
65歳以上:98,570人
(国立がん研究センターHP)
1975年当時の平均寿命は、男性71歳、女性76歳です。
寿命が短かったので、結果的に現役世代の罹患率が高かったとみることができます。
1年単位の数字は見ることも多いと思います。では、現在30歳の人が働いている間にがんに罹る確率はどのくらいでしょうか?
下表は、がんに罹患する確率=累積罹患リスク(2012年データに基づく、●●歳の人が今後〇〇年の間にがんに罹る確率)を表しています。余命表のがんバージョンですね。
30歳男性が60歳までにがんに罹る確率は、10.6%です。
例えば、会社勤めの30歳の同期10人いれば、そのうちの1人ががんに罹るということです。
この割合を多いと感じるか少ないと感じるかは人によって違うと思いますが、十分に備えておくべき割合だと感じる方も多いのではないでしょうか?