上地明徳

r-Laboratory株式会社 代表取締役
一般社団法人 経済教育支援機構 代表理事
信州大学経営大学院 特任教授 (ファイナンス論、金融コミュニケーション論)
上地ゼミ実践会主宰

学習院大学経済学部卒業
早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了
モルガンスタンレー証券を経て、日本初のIFA支援型証券である日本インベスターズ証券(現SBI証券)の創業に参画。同社にて専務取締役、SBI証券特別顧問を経て2012年より現職。米国大手資産運用会社にてアドバイザーを歴任。著書・論文多数。

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ご挨拶

1997年、私は日本初のIFAプラットフォーマーである日本インベスターズ証券の創業に参画させていただきました。当時の(今でも)日本では、

顧客と利益が相反する証券会社の営業姿勢が大きな理由となって、市場が実際に提供している長期リターン「r」が顧客に届けられていない状況が続いていました。

私たちは、顧客との間に利益相反の生じにくいIFAという新しい金融仲介機能の創設を通じて、日本の消費者に「r(資本所得と呼んでもいいと思います)」を届けたいとの思いから創業するのですが、力及ばず2010年に事業売却することになってしまいました。私たちの発想は非常にシンプルで、「長期・分散・積立」投資の実践を通じて、資本市場が提供しているリターンをそのまま顧客に届けることでした。当時から思うのですが、日本人の多くは、相場予測に賭けをするような投機行為よりも、本来は老後にお金で困らないような将来の経済基盤を作ることを願っている人の方が圧倒的に多いのではないかということです。具体的に言うと、普通のOLさんや会社員の方が、60歳、65歳になったときに1億円程度の金融資産を築けている姿というのが一つのイメージなんですが、このような人たちをたくさん増やしたかったのです。しかし、今の日本には、こうした老後に向けた資産形成をゴールに設定するプロのアドバイザーが圧倒的に不足しています。「長期・分散・積立」投資の励行は、アドバイス側が儲からないので積極的にやろうとしないわけです。

現役を引退してから10年が経過しましたが、保険代理店系のIFAさんは、「顧客に“r”を届ける」役目に最も相応しいのではないかとの考えに至りました。その理由は、ⅰ)転勤がないので顧客との長期的な信頼関係を重視する、ⅱ)保険の収入だけでもある程度は食べていけるので無理な営業をしなくて済む、ⅲ)保険と投資信託のプロダクトミックスでアドバイザー自身の老後も安泰になるからです。想像してください。1億円の資産を有する顧客が100人いたら、貴方はそれだけで安定した報酬を生涯得ることが可能になります。そして何よりも嬉しいことは、お客様が大変に喜ばれ、貴方に感謝しているということです。

最後になりましたが、日本インベスターズ証券では運用商品のデューデリジェンスと販売ツールの開発、販売員向け研修講師を20年やってきました。この「実践会」ではこれまでに築き上げたノウハウやツールをご提供させていただくつもりです。IFA事業をやられている方、これから始めようと検討している方、保険代理店のみならず証券会社出身の方も大歓迎です。ぜひとも「実践会」の門を叩いてみてください。